「外資はすぐクビになる」は本当? ― 日本企業との違いと、生き残る人の特徴

「外資はすぐクビになる」は本当? ― 日本企業との違いと、生き残る人の特徴|30代で年収1000万を目指す外資転職ガイド

こんにちは、リブレオです。

新卒で国内の大手企業に入り、意欲的に働いていましたが、将来にモヤモヤを感じ、30代後半で外資に転職。そこから環境や働き方、年収、そして人生そのものが大きく変わりました!

ツトム

外資系企業に転職して年収アップを狙いたいけど、外資って「すぐクビになる」「解雇されやすい」っていうイメージがあって、正直怖いんですよね……。

リブレオ

確かに。海外の映画やドラマでも、「お前はクビだ!」「明日から来なくていい!」なんていうレイオフのシーンを見かけるもんね。

ツトム

家族や住宅ローンもあるし、もしクビになったらと思うと、なかなか踏み出せないですよ。

リブレオ

本人だけじゃなく、家族も心配しちゃうよね。では「外資のクビ」の現実とその対策を、一緒に整理していこう。

人は、2種類のものを避けます。

ひとつは、分かりきった危機。あなたが熱いストーブの上に手を置かないのは、結果が危険だと分かりきっているからです。もうひとつは、振れ幅が計れないリスク。人間は生存本能として、「よく分からないものほど危険度を最大値で想定する」傾向があります。

「外資はすぐクビになる」という不安も、仕組みや背景を知らないまま、リスクを自動的に最大値で見積もっているだけなのかもしれません。

この記事では、「外資はすぐクビになる」というイメージを、事実と経験の両面から整理します。

まず、ルールの上では外資系企業と日本企業で差がないことを明らかにし、次に、カルチャーが生む両者の違いの現実を紐ときます。最後に、外資でも日本企業でも長く活躍するために欠かせない「考え方の軸」を紹介します。

この記事を読むと
  • 「外資はクビになりやすい」という漠然とした不安が、事実に基づいた理解に変わります。
  • 外資系企業と日本企業の、解雇に対するアプローチの違いがわかります。
  • 外資系企業でも日本企業でも、長く活躍するためのマインドセットが身につきます。
目次

「外資はすぐクビになる」は本当? ─ まずは事実を整理しよう

外資系企業も日本企業もまったく同じ法律で守られている

結論から言うと、従業員を解雇するハードルにおいて、外資系企業と日本企業の間に一切差はありません。

なぜなら、たとえ外資であっても、日本に登記している日本法人は日本の労働法の適用を受けるからです。

つまり、どちらの企業も、「客観的合理性」と「社会的相当性」を欠く解雇は無効になります。たとえば、

  • 「能力不足」を理由とする普通解雇では、単に成績が悪いだけでは足りず、改善の機会を設けるなど一定の手続きを踏む必要がある。
  • 整理解雇(リストラ)の場合は、人員整理の必要性、解雇回避努力、合理的な選定基準、手続の妥当性といった、より厳格な条件を満たさなければならない。

このような解雇規制は、日本企業とまったく同じレベルで、外資系企業にもフル適用されます。

実際、2022年にバークレイズ証券の不当解雇裁判では、裁判所が「外資系企業でも日本の労働法を守る義務がある」として、会社側の解雇を無効と判断しました。結果として、会社側は給与の支払いを継続する義務を負っています。
出典:「外資系は違う」退ける(47NEWS)

また僕自身の経験として、とある外資系企業で人を雇ったところ、マネージャーから「(3ヶ月の)試用期間のあいだに(万が一採用ミスなら本採用を見送るから)しっかりと見極めて欲しい」と言われたことがあります。少し生々しい話ではありますが、このエピソードも、たとえ外資であってもいったん本採用になれば解雇がいかに難しいかを物語っています。

法的には、外資系企業も日本企業もまったく同じ扱い ー まずはこの事実を頭に入れておくとよいでしょう。

では、外資系企業と日本企業で違うのは? ー カルチャーと解雇へのアプローチ

ツトム

じゃあ「外資はすぐクビになる」というのは、完全な都市伝説ってこと?日本企業と同じレベルで安心していいんですか?

リブレオ

あくまで法的にはね。ただ、実際の現場での「カルチャーの違い」は知っておいたほうがいい。そのリアルを見ていこう。

大前提として、外資系企業は成果主義です。多くの日本企業のように、年齢や勤続年数で役職や年収が決まる年功序列ではなく、きちんと成果が報われるカルチャーなのです。

このブログで一貫して「年収を上げるために外資に転職しよう」と主張しているのも、外資系企業は日本企業と違い、「働かないオジサン・オバサン」に無駄な賃金を払わず、その分パフォーマンスの高い従業員に還元するという構造が確立しているからです。

たとえば僕の現職の CEO は、ことあるごとにこう言い切ります。

この会社は、ハイパフォーマーを徹底的に優遇する。
そのために、ローパフォーマーには去ってもらう。

ツトム

やはり外資ってドライですね……。

リブレオ

そう捉えることもできる。
でも、行間を読まない欧米の文化には、“Unclear is unkind (曖昧さこそ不親切)”という考え方がある。はっきりした態度を示すことは、むしろ優しさだとも捉えられないかな。
馴れ合いで誤魔化して、ある日突然クビと言われるほうが、よほど冷たいと思わない?

そして外資系企業では、このようなカルチャーを、スピード感をもって推し進めるための制度が仕組み化しています。たとえば PIP (Performance Improvement Plan)

PIPとは?

多くの外資系企業が採用しているPIPは、期待される結果を出せていない従業員に対して行われるパフォーマンス改善プログラム。以下の内容がマネージャー主導で明確に定義され、従業員本人、マネージャー、人事の3者間で合意します。

  • PIPををクリアするためのアウトプット
  • そのための具体的な方法
  • 期限と進捗のチェック方法
  • 期日までの進捗確認方法と頻度

従業員は、四半期ごとのパフォーマンスレビューで「低評価」が続くとPIPに入り、改善が見られない場合は退職勧告に至ることもあります。

逆にこの四半期ごとのレビューで「高評価」が続けば昇給や昇進につながり、そちらもまた同様に仕組み化されています。

一見、これは解雇規制をくぐり抜けるための、「改善機会を設けましたよ」という会社側の口実作りに見えるかもしれません。しかしPIPは日本独自のものではなく、外資系企業がグローバルで行うプログラムです。もしPIPが単なる「クビにするためのプロセスのひとつ」でしかないのなら、金銭解雇制度がある(日本と違って、一定額の補償金を払えば、一方的に従業員を解雇できる)欧米で、こんなまどろっこしいことをやる必要はないはずです。

リブレオ

社会に出てからの人生は、スプリントではなくマラソンです。

学生のころは、受験勉強やテスト勉強など、短距離を全力で駆け抜けるスプリントのような勝負でした。でも社会人としてのキャリアは、40年以上も走り続けるマラソンです。

誰にでも、調子の波はある。ときには家庭の事情で仕事に集中できないこともあるかもしれない。キャリアを通して、高いパフォーマンスを保ちながら長距離レースを走り続けることは、誰にとっても難しいのです。少なくとも僕が見てきたPIPは、走り続けるために会社が従業員を支援し、一緒に伴走するプログラムです。

僕は、PIPをクリアできずに、あるいはそのストレスやプレッシャーから、会社を去った従業員を見てきました。でもそれと同じぐらい、PIPをきっかけに成長し、むしろ以前より高いパフォーマンスを発揮できるようになった人も見てきました。

リブレオ

僕の前職には、キャリアの中でPIPを2回経験したと公言するVP (Vice President) がいたぐらいです。
彼は、PIPによって一度ゆっくりしゃがむことができ、その度にジャンプできたと語りました。

ここまでを一旦まとめましょう。

「外資はすぐクビになる?」の実際
  • 外資系企業であっても、一方的にクビにはできない(解雇規制を遵守する義務がある)。
  • ただし、「成果が公平に報われ、年収が高くなる」という構造の裏には、パフォーマンスが正当かつシビアに評価されるカルチャーと仕組みがある。

日本企業ならクビにならない? ー 終身雇用の終焉を迎えつつある日本企業

ツトム

なんだか余計こわくなってきちゃったな……。
確かに、日本企業は年収が上がらない構造的欠陥を抱えているかもしれないけど、少なくともクビになることはないですよね?

リブレオ

平成まではね。でも果たして今もそうだと言えるかな?

「日本企業なら安全」なのでしょうか?残念ながら、それも過去の話です。

ここ数年で急速に、日本企業にもジョブ型雇用・リスキリング・成果主義が広く浸透してきています。いまや誰もが知る有名企業でさえ、大規模な人員削減(ときには「希望退職」や「早期退職」という名の、実質的なレイオフ・リストラ)を発表しています。

大手日本企業の人員削減動向(抜粋)
  • 日産
    • 2024年11月、2万人の人員削減を発表。
  • パナソニック
    • 2025年5月、5,000人(グローバルで1万人)の人員削減を発表。
  • 東芝
    • 2018年11月、7,000人の人員削減を発表。
    • 2024年5月、4,000人の人員削減を発表。
  • JTB
    • 2020年11月、6,500人の人員削減を発表(併せて、約480店舗のうち115店舗の閉鎖も決定)。
  • NEC
    • 2018年11月、「45歳以上で勤続年数5年以上の従業員」を対象にした希望退職を実施(2,170人が応募)。

出典:各社公式発表・主要報道(ロイター、日経、東洋経済ほか)

また一部の日本企業では、いわゆる「追い出し部屋」と呼ばれる、人事異動の名目で従業員を閑職に配置したり、あるいは転勤という名目の左遷をしたりする、陰湿な人員削減が横行しています。

かつて日本企業には、「窓際族」という言葉が生まれるほど、仕事ができなくても会社においてもらえていた時代がありました。今は、日本企業でも容赦なく(時にはまわりくどいやり方で)人員を削減する時代なのです。

どんな環境でも長く活躍するためのマインドセット

複数の外資系企業を経験し、それらすべての企業でマネージャーとして部下を持ち、採用と人事評価を行ってきた僕が見てきた、「どんな環境でも長く活躍する人」に共通するマインドセットをお伝えします。

それは、非交換可能な人材になること。

日本には、「空気を読む」「右へ倣え」「出る杭は打たれる」という言葉に代表されるように、「まわりと同じ」が美徳とされる文化があります。僕は日本という国も文化も大好きですが、こと企業においてこれから生き残っていく上では、まわりと同じでいることはリスクです。他の誰かでも務まる人間は、真っ先に交換されてしまうのです。

ツトム

非交換可能な人材って、具体的にどういう人材なんですか?

リブレオ

そこを安直に人に聞いちゃうから、交換されちゃうんだよ。聞いて答えが出るなら、誰も苦労しない。
守るべき家族がいるなら、そこは歯を食いしばって、頭がちぎれるほど自分で考え抜くんだ。

  • なにかひとつの分野で、突出した知識や技術を持つことかもしれません。
  • あるいは突出していない「そこそこのレベル」でも、その分野を2つも3つも持って掛け合わせることで、他者には真似できない強みを作ることかもしれません。
  • アメリカンフットボール選手のように、「決められたポジションの中で、安定して完璧に仕事をこなす人」を目指すべきかもしれません。
  • あるいはサッカー選手のように、「ディフェンスであっても、状況に応じて前線にあがってシュートを決められる人」を目指すべきかもしれません。
  • もしくは……

あなたが、どのような方法で非交換可能な人材になるべきかは、僕には分かりません。ですが、人と同じことで安心することなく、むしろそう感じたら危機感を覚えてください。誰かと交換されない人材になることが、どんな環境でも長く活躍する秘訣なのです。

解雇には、従業員の業績不振による「普通解雇」だけでなく、「市場からの撤退」や「他社による買収」などの経営判断による「整理解雇」もあります。ですが、こうしたリスクは外資に限らず日本企業にも存在することに加え、非交換可能な人材には、そうした状況でも自然と「次」が現れます。

リブレオ

非交換可能な人材は、選ばれるのではなく、常に選ぶ立場にあるのです。

前述の通り、あなたが目指すべき「非交換可能な人材」は、自分で考え抜くしかありません。ただし、その上で「自分が何者か」をどう見せ、どう信頼を積み上げていくかには、明確な行動軸があります。

次の記事では、今日から実践できる『外資でも日本企業でも通用する、成果を「見える化」する4つの型』を紹介します。

まとめ:あなたが茹でガエルになる前に

「外資系企業だとクビになりやすいのか?」について、

  • 法的には、完全にノー。
  • カルチャー的には、「厳密には、ハイパフォーマーが優遇される仕組みがある」と置き換えた方がより正確。

ということがお分かり頂けたと思います。そして、

  • 今やそのカルチャーの差も、日本企業と外資系企業の間で急速に縮まりつつある。
  • アプローチが違うだけで、日本企業も(時にはより陰湿に)人員削減する。

ということも。

「茹でガエル理論」をご存知でしょうか。

「カエルをとつぜん熱湯に入れれば飛び出して逃げるが、水にいれた状態でゆっくり水温を上げると、気づかずそのまま茹であがって死ぬ」という寓話です。ゆっくりと進行する危機や環境変化を敏感に察知しないと、致命傷を負う ー そんな教訓を説いているわけですが、ゆっくり変化している、日本企業にそのまま当てはまると思いませんか?

あなたが50代後半なら、定年までギリギリ逃げ切れるかもしれません。でも社会人としての人生はまだまだ長い。どこにいても成果が評価されるなら、それが年収アップに直結するフェアな外資系企業で、自分を高める一歩を踏み出してみませんか?

ゆっくりと温度が上がる鍋の中で、気づかずに茹でられているカエルのイラスト

鏡の中に見えるのは、茹でられているカエルですか?それとも、ぬるま湯から抜け出す勇者ですか?

あなたのキャリアの明るい未来を、心よりお祈り申し上げます。

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