こんにちは、リブレオです。
新卒で国内の大手企業に入り、意欲的に働いていましたが、将来にモヤモヤを感じ、30代後半で外資に転職。そこから環境や働き方、年収、そして人生そのものが大きく変わりました!
ツトム外資への転職活動に挑戦してみたいんですが、何からはじめればいいのか全然分からないんですよね……。



分かる。はじめての転職活動、しかも外資となると、一気にハードルが上がったように感じて、最初の一歩からやたら重く感じるよね。



ネットで調べると「自己分析をしましょう」「キャリアの棚卸しをしましょう」とか……。



「それができたら最初から苦労してないよ!」ってやつでしょ?笑



ほんとそれです。
調べれば調べるほど「正論」ばかりで、結局なにをすればいいのか分からなくなる。
今日も何も進まず、自己嫌悪だけ募っていく……そんな毎日なんです。
ネットには転職活動のプロセスが数多く紹介されています。その多くは理路整然としていて正しい。それが自然にできる人は、そのまま進めばよいでしょう。ですが、僕は長年キャリア相談に乗る中で、そこには2つの構造的な問題があると感じてきました。
- 多くのプロセスが「全工程」を一括で定義している
一般的なガイドは、「準備 → 応募 → 面接 → 内定 → オファー検討」までをまとめて語ります。
しかし転職活動で本当に大変なのは、一番最初の準備フェーズです。だからこそ最初の一歩を踏み出すのが難しく、逆にここさえ乗り越えれば視界は一気に開けるのです。
準備が整わない限り、その後のステップの方向性は定まりません。最初から全体像を意識しすぎるよりも、まずは準備フェーズを完遂することにフォーカスする方が、圧倒的に合理的なのです。
- 正論ばかりで精神的負担が考慮されていない
「自己分析」「キャリアの棚卸し」……。これらは本来正しいし、価値がある。でも、誰もがそれをスムーズに進められるわけではありません。
やるべきことが最初から重すぎて動けない ー そんな姿を何度も見てきました。もしあなたもその一人なら、この記事はきっと役に立ちます。
僕はこれまで、外資でキャリアを築き、採用する側・される側の両方を何度も経験し、多くの人のキャリア相談に向き合ってきました。その経験から導き出した、準備フェーズに特化し、それを確実に乗り越えるための真のプロセスをお伝えします。
最初の一歩を軽く踏み出し、進むほど加速していく。まるで雪だるまが転がりながらどんどん大きくなるように前へ進める ー 「スノーボール・セブン・ステップ」です。
- 「何から始めればいい?」という迷いが消え、転職活動の「準備フェーズ」の全体像が一本の道として明確になります。
- 転職活動に限らず、あらゆる目標達成で武器になる「インプットゴールとSMARTゴール」の考え方を身につけられます。
- これまで重かった転職活動の最初の一歩を、軽く踏み出すことができます。
- 自分でも止められないほど転職準備が前に進む「加速感」を体験できます。
- その結果、レジュメ作成・LinkedIn整備・エージェント登録まで含めた準備フェーズを完遂でき、転職活動が「オートクルーズ(自動操縦)モード」に入ります。
外資転職は何から始めればいい? ー 転職準備が加速する「スノーボール・セブン・ステップ」を徹底解説
これから紹介する「スノーボール・セブン・ステップ」は、最初の一歩をできるだけ軽くし、進むほどに自然と加速していくよう設計されています。
そして扱うのは、転職活動の中でもっともつまずきやすい「準備フェーズ」だけ。ここを乗り越えれば、その後の転職活動の方向性が定まり、オートクルーズ(自動操縦)モードで進むことができます。
さあ、雪だるまを転がしていきましょう。
STEP 1|あなたの転職の目的は「年収アップ」と決める(費やす時間目安:1秒)
多くの転職プロセスと同じく、「スノーボール・セブン・ステップ」でも、最初のステップは「転職の目的を決める」ことから始まります。
ただし、ここでよくある、「自己分析をしましょう」「キャリアの棚卸しをしましょう」の話はしません。転職活動において最初にそれをやる必要もありません。
あなたの転職の目的は、年収アップだからです。その理由を、僕はこのブログの最初の記事で、こう書いています。
2つの真実をお伝えします。
- あなたは、年収を上げたいと思っている。
(中略)
なぜそう言い切れるかって?そう思っていない会社員はいないからです(あなたが、自己評価の実力と現実の待遇にギャップを感じているならなおさら)。
「金がすべて」とは言いません。ですが、どこに勤めようが完璧な会社はない、という現実の中で、年収が高ければ、不満を「我慢」ではなく「許容」に変えられる余裕が生まれます。
また実際に転職するかどうかを決める段階では、働き方や人間関係など、実際に入社してみなければ分からない要素も多い。そんな中、年収だけは事前に明確に分かっていて、複数の転職先候補を、現職も含めて、公平かつ同じ土俵で比較できる唯一のモノサシです。
— 出典:『外資転職に踏み出せない30代へ ― 3つの迷いを行動に移す考え方』
「転職の目的」に悩むぐらいなら、この瞬間に「それは年収を上げること」と決めてしまいましょう。
あなたは、「なにかしらの理由」があって、転職を考えたはずです。そして大多数の人にとって、その理由は本当に年収アップでしょう。
仮にそうでない人であっても、年収が高ければ、不満を「我慢」ではなく「許容」に変えられるという前提に立つなら、年収アップは少なくとも「転職の目的の1つ」として成立します。
もしここで、「いや、年収アップは私の転職目的になり得ない」と即座に反論できる稀有な人は、すでに自身の転職目的が明確に言語化できている人です。
つまりこの時点で、読者の100%が「転職の目的がはっきりした」ことになります。
雪だるまが転がり始めました。次のステップに進みましょう。
STEP 2|あなたの転職のザイル(命綱)を決める(費やす時間目安:3時間)
STEP 2では「転職のザイル」を決めます。ザイルとは、ロッククライミングにおける落下防止のための命綱。「転職の目的」がWhatなら、「転職のザイル」はWhy ー あなたが働く理由です。
STEP 1で、あなたが目指す山の頂上 ー つまり「年収アップ」というゴール(What)が決まりました。そこにたどり着く道は、厳しく険しいものかもしれません。そんな時にしっかり安全を確保し、躊躇なく片手を離し、次の一手をつかむことを可能とするのが、「転職のザイル(Why)」です。



あなたが持てていなかった(と思い込んでいた)「勇気」や「覚悟」なんていうものはそもそも最初から必要なく、ザイルという構造が先にあることで、あとから生まれるものなのです。
「転職のザイル」は、「正しい」ものであることよりも、「存在する」ことが重要です。自分なりの正解を考えようとするより、とりあえず仮置きするぐらいのイメージで考えてみてください。例えば「転職のザイル(働く理由)」には、こんなものがあるでしょう。
- 今よりも、自分の時間を取り戻したい。
- 自分の仕事で、誰かの役に立っている実感を持ちたい。
- 年齢や社歴ではなく、成果と実力で評価される環境で働きたい。
転職活動の最中に、あっちへフラフラこっちへフラフラしないために、あなたの身体を固定するザイルを、とりあえず1本張ってみてください。
ここまで読んで、自分の「転職のザイル」をひとつ仮置きできた人は、STEP 3に進んでください。もしまだピンときていない人のために、このあと「転職のザイル」を見つけるための具体的な考え方を、3つ紹介します。
ザイルの見つけ方①:増えた年収で何をするかを考えてみる
あなたの「転職の目的」は年収アップでした。では具体的に、いくらアップしたいですか?そして、今より増えたその分で、何をしますか?
裕福度に関わらず、欲望にはキリがありません。年収1,000万に到達すれば1,500万にしたくなるし、年収1億円の人は1億5千万にしたくなるのです。「いくら稼いでも足りない」と疲弊するより、「この目的のためにいくら欲しい」と、具体的に考えてみてください。
とある芸能プロデューサーが、地下アイドルの子に、「もし年収5,000万になったら、どうする?」と質問したそうです。それをイメージできなかったその子に、彼はこう言いました。
だから売れないんだよ。
芸能界で成功するのは、成功している未来の自分を強烈にイメージできる子だといいます。
あなたは、年収をいくら増やし、そのお金で何をしますか?
家のローンを返す?それなら、「お金のためにガツガツ働くのではなく、ゆとりのある生活がしたい」というザイルを仮置きしてみましょう。
家族と年に1回は海外旅行に行く?それなら、「家族との時間を増やして、子どもに外の世界を見せてあげたい」というザイルを仮置きしてみましょう。
断言しますが、「いくら増やして何をするか」を言語化できない限り、あなたは年収1,000万になろうが年収1億円になろうが、一生お金の奴隷のままです。
ザイルの見つけ方②:誰をどう幸せにしたいかを考える
「転職のザイル(働く理由)」を、「どんな人」を「どんな風に」幸せにするか、という観点で考えてみてください。
あなたは小さい頃、何になりたかったですか?
例えば小学生に「将来何になりたい?」と聞くと、「サッカー選手」とか、「お医者さん」とか、最近の子は「ユーチューバー」なんて言うかもしれません。
気づきましたか?これ、全部「職業」を答えているんです。
「コンサルになりたい」と言う大学生、「次は営業職に挑戦したい」と言う大人……むしろ大人になっても多くの人が、無意識のうちに「やりたいこと」を「職業」で語ります。あなたも知らず知らずのうちに、「やりたいこと」を「職業」で語っていませんか?
では、「仕事」とは何でしょう。
仕事とは、「誰かに価値を提供し、その対価を受け取ること」です。価値には有形(レストランなら料理)無形(ヨガやマッサージなど)様々あり、それを提供して対価(多くの場合はお金)を受け取るということが、仕事の定義です。



ここまでで、ものすごい矛盾があったことに気づきましたか?
人はやりたいことを「職業」で語る一方で、実際の「仕事」は、他人に価値を提供してはじめて対価が得られるもの……。つまり、仕事は「徹底的な他人目線で、相手を喜ばせること」が先にあるべきで、「あなたの自己実現」のためにあるわけではない。



この矛盾に気づかないと、仕事が嫌いになりますよ。
具体的な例をあげましょう。
自分の容姿に自信が持てない女性がいたとする。クラスでキラキラ輝く一軍女子を横目に、「私ももっと可愛かったらあのグループに入れたかもしれないのに」と、いつも引っ込み思案。でもそんな彼女も、美容院にいって似合う髪型にしてもらった時は、鏡の前に立つことが楽しみだった。
「こんな風に、容姿に自信がない女性でも、鏡の前で前向きな気持ちになれる人を増やしたいn」という願いから、彼女は美容師(職業)を目指します。でも入社した美容院はブラックで、2年たった今も、お客さんのシャンプーしかさせてもらえていない……。
この女性は、「美容師になる」ことは叶ったけど、本質的な夢(容姿に自信がない女性でも、鏡の前で前向きな気持ちになれる人を増やしたい)は叶えられていませんよね。あるいは、この夢を叶えるためには、彼女は美容師だけではなく、ネイリストやファッションデザイナーなどの職業も選択肢になるかもしれません。
お分かり頂けたでしょうか。つまり……
「やりたいこと」を「職業」で語っていいのは、小学生までだ。
大人のあなたは、「どんな人」を「どんな風に」幸せにしたいかを、考えてみてください。
- 容姿に自信がない女性を、鏡の前でウキウキさせたい。
- 実力はあるのに子育てに追われている人を、社会で活躍できるようにしたい。
- 高齢化社会で孤立している老人に、恋愛のチャンスを提供したい。
……どうしても思いつかない?だったら「どんな人」には、「自分」を入れちゃいましょう。あなたは、あなたの一番の理解者です。一度自分から抜け出して、第三者目線であなたの半生を振り返ったとき、もしあなたが魔法の杖を持っていたら、目の前のあなたを、どう幸せにしたいですか?
その答えそのものが、あなたの「転職のザイル」になるでしょう。
ザイルの見つけ方③:やりたくないことを考えてみる



まだ「転職のザイル(働く理由)」が見つからないよ……



「やりたいこと」が見つからなくても、「やりたくないこと」なら、たくさん思いつくでしょう?
- お金の心配ばかりで、余裕なく目の前の仕事をこなすだけで精一杯……という働き方がしたい!
- 満員電車にギュウギュウ詰めにされて、会社に着く前に疲弊する毎日を送りたい!
- パワハラ上司に理不尽なことで怒鳴られる職場で働きたい!
……そんな人いませんよね?
ザリガニワークスという企業が2001年に発売した、コレジャナイロボという商品があります。親がせっかく買ってきたロボットのおもちゃに対して、子供が「欲しかったのはこれじゃなーい!!」と叫ぶ……というシュールなシチュエーションを前提とする、絶妙にダサくてカッコ悪い、センスの光るロボットです。
実はこれ、色々な場面で応用できる考え方なんです。たとえば僕は新規プロダクトやサービスを考えるとき、どうしても潜在顧客が欲しいものが見えづらいときは、まず「コレジャナイロボ(少なくともこれは違うだろうというもの)」をたくさん考える作業から入ることがあります。
どうしても「転職のザイル(働く理由)」が見つからないなら、「こんな職場はまっぴらだ」と思う条件を、かたっぱしから挙げてみてください。きっといくつもスラスラ出てくるはずです。それ自体が、あなたが消耗しないためのザイルになるでしょう。
STEP 3|ゴール設定のOS(インプットゴール + SMART)をインストールする(費やす時間目安:1時間)
「スノーボール・セブン・ステップ」は、最初の一歩をとにかく軽く踏み出せるように設計しています。STEP 1とSTEP 2を終えて、その感覚をすでに実感していただけているのではないでしょうか。
ここから一気に雪だるまを加速させていきましょう。
そのために、このSTEP 3で、「インプットゴール」と「SMART」という、ゴール設定のOS(オペレーティング・システム)をインストールします。これは、転職活動に限らず、あらゆる目標達成に通用する考え方です。
インプットゴール
やみくもに結果だけを追い求めると、足が止まります。やるべきことは、行動を複数定義して、それらを比較検討することです。
一般的に「目標(ゴール)」は、以下のような文脈で語られます。これらは結果(アウトプット)であり、「アウトプットゴール」と呼ばれます。
- 営業利益を前年同期比30%増やす。
- 転職に成功して年収1000万を達成する。
- 恋人を作る。
アウトプットゴールの特徴は、アンコントローラブルであること ー つまり、外部要因に左右され、実際に達成できるかどうか分からないということです。
これに対して、「おそらくアウトプットにつながるのではないか……」と思われる、コントローラブルな行動 ー 自分次第で必ず達成できる目標が、「インプットゴール」です。
| インプットゴール | アウトプットゴール |
|---|---|
| コントローラブル(行動) | アンコントローラブル(結果) |
「恋人を作る」という目標を例にしてみましょう。
誰もが思い通りに恋人を作ることができたら苦労はないわけで、これは実際に達成できるかどうか分からない最終結果、つまり「アウトプットゴール」です。では、「おそらくこの目標につながるのではないか……」と思われる行動には何があるでしょう。
- 毎日100人、渋谷でストリートナンパをする。
- 3つのマッチングアプリに登録し、毎日1時間ずつ、それらのアプリを使う。
- 友達10人に、合コンの設定を依頼する。
- ……
- ……
実際にこれらで恋人ができるかどうかは分かりませんが、少なくともこれらは、やると決めたら自分次第で必ず達成できる目標 ー つまり、インプットゴールです。
複数のインプットゴールをテーブルに乗せ、それらを比較検討することで、アウトプットゴールの達成確率が上がります。「毎日100人ナンパをするのは不毛だよな……」とか「そういえば私には合コンが設定できる友達は少なそうだな……」とか「やっぱり今の時代はマッチングアプリが最適解かな……」とか。そしてあとは最終的に選んだインプットゴールを、(それはコントロール可能なわけですから)やるだけです。
この例を読んで、「今どき恋人作るのに、毎日100人ナンパするヤツなんかいねーよw」と思ったあなた、仕事や転職活動では、自己満足で「頑張った感」だけを出しながら、同じように不毛なことをしていませんか?


実際のインプットゴールとアウトプットゴールの関係は、この図のようになります。
いくつかのインプットは、アウトプットに最短距離でつながり、いくつかは遠回りしながらも最終的には成果になる。そして残りは、どれだけ頑張ってもアウトプットには繋がらない。これは、複数のインプットゴールを比較検討することではじめて見えてきます。
たとえば僕は、「営業利益を30%あげるために、インフルエンサーを起用したプロモーションを実施します」といった提案があったら、「予算は?」「期間は?」といった質問をする前に、「今回、考えたけど採用しなかった、他のアイデアにはどんなものがありますか?」「それらを採用せずに、こちらを採用した理由は?」と聞きます。そして担当者は、たまたま最初に思いついた(でもとても良いと本人は思っている)施策を深堀りしているケースが少なくない。
目標が達成できない人が陥っているのは、多くの場合2つのケースです。1つは、アウトプットゴールに対して、何をすれば良いか分からず足踏みしている(インプットゴールを考えましょう)。もう1つは、アウトプットゴールに繋がらない努力ばかりしている(複数のインプットゴールを比較検討しましょう)。
結果目標(アウトプットゴール)には、必ずコントローラブルなインプットゴールを5個から10個考え、それらを比較検討するクセをつけてください。そんなに思いつかないって?大丈夫。それならここでもとりあえず、「コレジャナイロボ」から考えれば良いのです。
SMART
結果目標(アウトプットゴール)に対するアプローチのしかた(複数のインプットゴールを考え、それらを比較検討する)が分かったところで、選んだインプットゴールを「実行できる目標」に落とし込むためのフレームワーク、SMARTを紹介します。
SMARTとは、“Specific” / “Measurable” / “Achievable” / “Relevant” / “Time-bound”の略で、目標を立てるときに押さえておくべき5つのポイントです。
例として、「海の日までに、体重をあと5kg減らして、水着が似合う身体になりたい」というアウトプットゴールに対して、「運動する」というインプットゴールを選んだとします。
- S: Specific(具体的である)
- 目標は、漠然としたものではなく、具体的であるべきです。
- 「運動する」よりも「筋トレとランニングをする」の方が specific です。
- M: Measurable(測定可能である)
- 目標は、やったかやっていないかを、感覚ではなく数字で判断できるべきです。
- 「筋トレとランニングをする」よりも、「ジムに週2回(1回45分)通い、ランニングを週3回(1回30分)やる」の方が measurable です。
- A: Achievable(達成可能である)
- 目標は、達成可能であるべきです。「達成可能」というと、ハードルが低めの目標を設定しがちですが、本質的には、「アウトプットゴールを達成するためにどれぐらいのインプットが必要か」をきちんと見積もり、アウトプットから逆算していくべきです。
- とはいえ、それはとても難しいので、一般的には「難なくこなせるレベル」の120%〜200%程度のストレッチゴールが良いとされています。
- 一方で、途中で挫折しては本末転倒。「習慣化」の観点では、「最初は失敗のしようがない小さいレベルにインプットゴール分解する」というテクニックがあります。
- 例えば今回の例なら、「トレーニングウェアに着替えるだけで達成」と決めてしまうのです。着替えるだけで痩せるわけはありませんが、こうして失敗のしようがないレベルで習慣化してから、少しずつハードルをあげていく、という手法があることは覚えておくとよいでしょう。
- R: Relevant(関連性がある)
- 目標は、その行動がアウトプットゴールに繋がっていると説明できるべきです。
- 前述の通り、「複数のインプットゴールを比較検討」していれば、自然と「一番 relevantなインプット」が選ばれているはずです。
- T: Time-bound(期限が設定されている)
- 目標は、時間の概念とセットで定義されるべきです。
- 一般的には、「◯月◯日までに」といった期限を設定します。
- 今回の例では、アウトプットゴールに「海の日までに」という期限があり、インプットゴールには「週2回・週3回」という頻度(時間構造)が設定されています。
- アウトプットゴールに対して、複数のインプットゴールを考え、それらを比較検討したうえで、アウトプットゴールではなく「選んだインプットゴールの達成」にフォーカスする
- ゴールはSMARTに設定する
STEP 3で説明したこの2つは、ゴール設定のOSです。転職活動の枠をこえて、あなたのキャリアにおける強力な武器となるでしょう。
STEP 4|JD(求人票)を読み漁る(費やす時間目安:2週間)
STEP 4では、JD(求人票)を読み漁ってください。
転職活動とは、「こんな人がほしい」という企業側のニーズに、自分を売り込む行為です。そして市場というものは、常に変動します。つまり、どのようなニーズがあるかは、本を何冊読んでも手に入る知識ではなく、ニーズそのもの、つまりJDを読み漁ることでしか掴めないのです。
もやし1袋50円……これって安いと思いますか?高いと思いますか?料理をしない人であれば想像もつかないだろうし、毎日スーパーに通う主婦なら肌感覚で答えられるでしょう。
転職市場もまったく同じ。JDを毎日読み漁っていると、肌感覚でこんなことが分かってきます。
- どんな職種・レベルのポジションが多いのか
- すぐに消える求人と、何ヶ月も開きっぱなしの求人の違い
- 年収レンジの「現実的な幅」
- 自分の経歴だと、どこが現実的で、どこがストレッチか



自分が応募したい求人を探してみればいいのかな……?



「応募前提で良い求人を探す」ことは意識しなくても大丈夫。
このSTEPの目的は、あくまで転職市場の「相場感」を身体で掴むこと。
だから、気の向くままに、おもしろそうなJDを、どんどん読み漁ればいい。ただし、だからといって「斜め読み」は禁止。採用側の視点に立って、きちんと熟読すること。
せっかくゴール設定のOSをインストールしたので、SMARTに目標設定してみましょう。
2週間、平日は1日10件(1日2時間目安)、週末は1日30件(1日6時間目安)、採用側の視点に立って、毎日JDを読み込む



JDはどこで探すのがいいんですか?



この段階で重要なのは、どのサービスを使うかではなく「量」だから、いろいろなスーパーに行けばいい。
このあたりから漁るのが良いでしょう。
- LinkedIn、ビズリーチなどの外資に強い大手転職サイト
- JAC Recruitment、Michael Page、Robert Walters、Haysなどの外資・ハイクラス向け転職エージェントの求人一覧ページ
- 気になる企業の採用ページ
2週間後、相場感を身につけたあなたには、こんな変化が訪れます。
- 「自分はダメかも」が、「ここが足りない」に分解される。
- 「なんとなく不安」が、具体的な不安に変わる。
つまり転職活動が、「漠然とした恐怖」から、「解ける課題」になるのです。
STEP 5|ハイヤリング・マネージャーに「憑依」する(費やす時間目安:1ヶ月)
1つ前のSTEP 4で、JDは「採用側の視点に立って、きちんと熟読する」と書きました。このSTEP 5ではそのレベルをもう1段引き上げます。
応募者の視点をいったん捨てて、ハイヤリング・マネージャーに「憑依」してください。
なったつもりで考える……などという生やさしいレベルではありません。STEP 4で読み込んだJDの中から、ピンとくるものを3つ選び、そのJDを書いたハイヤリング・マネージャーに、完全に乗り移るのです。
なぜなら、外資系企業では「誰を採るか」を最終的に決めるのは人事ではなく、ハイヤリング・マネージャーだからです。
日本企業では、「採用活動は人事の仕事」と捉えられている一方で、外資系企業では、採用はハイヤリング・マネージャー(応募者から見れば将来の直属の上司)の責務です。
ハイヤリング・マネージャーは、
- ヘッドカウント(組織の人員枠)の交渉・獲得
- JDの執筆
- 面接、応募者の合否判断、オファー時の給与決定
- 入社後のオンボーディング
といった一連のプロセスに、end-to-endで責任を負います(人事はあくまでサポート役)。
まず、基本的に一次面接はハイヤリング・マネージャーが担当します(人事が0次面接としてスクリーニングを行うことはあります)。
二次面接以降の面接官も、ほとんどの場合ハイヤリング・マネージャーが指名します。指名した面接官の貴重な時間を無駄にしないためにも、ハイヤリング・マネージャーは一次面接で「迷ったら落とす」というシビアな判断をします(判断を先送りし、二次面接以降に委ねることを繰り返せば、面接官の協力は得られなくなります)。
逆に言えば、一次面接を通過した時点で、ハイヤリング・マネージャーはあなたを「部下として欲しい人材」だと判断したということです。その瞬間から、ハイヤリング・マネージャーは、「あなたを選別する側」から「あなたを守る側」に変わります。
実際、二次面接以降で不採用意見が出た際に、ハイヤリング・マネージャーが強く反論する場面は珍しくありません。僕自身、複数の面接官が論理的に不採用を出したあとに、最後は論理ではなく感情で、「全ての責任は自分が取るから、頼むから採用させてくれ!」とハイヤリング・マネージャーが懇願する場面に居合わせたことがあります。
ではここまで理解した上で、ハイヤリング・マネージャーに憑依して、自分自身を品定めしてみてください。
- あなたを採るべき理由は何ですか?
- あなたを採らないべき理由は何ですか?
この問いを繰り返していくと、最初の面接までに行うべきSMARTゴールが、自然といくつも浮かび上がるはずです。



あまりにたくさん浮かび上がると思いますが、気負わなくて大丈夫!
何事も、完璧に準備ができるまで待っていたら、アクションは一生とれません。
現実的には、「日本企業に勤める転職活動未経験者」であれば、外資系企業の最初の面接まで、準備に最低3ヶ月はかかるでしょう。ですが、準備は走りながら行うもの。ここでは、SMARTのT (Time-bound) を、あえて「次の1ヶ月」に設定して、SMARTをブラッシュアップしてください。そして、1ヶ月後の自分は「完璧ではないが、十分戦える状態」だと信じ込んで、次のSTEPに進みましょう(次のSTEP以降も、準備は並行して進めてくださいね)。
ゴールの優先順位は、
- 「採るべき理由」を伸ばすことに7割
- 「採らない理由」を補うことに3割
の配分をおすすめします。すべてが平均点の人よりも、どこかが突出している人のほうが、外資系の転職市場では評価されやすいからです。
最後に余談です。この「憑依テクニック」も、転職活動に限らず、あらゆる場面で使えます。
あなたが営業であれば、「取引先の、46歳で釣りが趣味の決裁者」に、あなたが若者向け商品の企画なら、「スタバでバイトを始めたばかりの、カラオケ好きな17歳の女子高生」に。
「相手の立場になって考える」とか、「その人の志向を理解する」といったレベルでは足りません。身も心も、喋り方から感じ方まで、完全に憑依できたとき、あなたのアウトプットは別次元になるでしょう。
STEP 6|転職活動を「外に宣言」する(費やす時間目安:1週間)
このタイミングで、転職活動を、信頼できる人に打ち明けましょう。
STEP 1〜5で、あなたはすでに、
- 転職の目的を定め、
- 転職のザイル(命綱)を手に入れ、
- ゴール設定のOSをインストールし、
- 転職市場の相場感を肌で感じ、
- ハイヤリング・マネージャーの視点から、行うべき準備を自然と浮き彫りにしました。
知識レベルでは、もう「転職の素人」ではありません。あとは経験を積むだけ。雪だるまを一気に加速させましょう。
恋愛でも、「はじめて会った時から一目惚れ」というケースは、実は少なくありませんか?
な〜んか気になるんだよね〜
ぐらいの気持ちから、会話したり、食事に行ったりするうちに、徐々に気持ちが高まっていく。そしてその針が一気に振れるのは、「友人にその相手のことを話した時」で、そこから自分の中で勝手に盛り上がっていく……。そんな経験はありませんか?
どんなことでも、人に言うことで、自分の中で炎が灯るのです。
このSTEPでは、「1週間」と期間を決め、この週は「転職活動宣言ウィーク」として、それを信頼できる人に話してみてください。但しここでは(そして最後まで)現職の関係者に話すことはやめておきましょう。もし誰も言う相手がいなければ、ぜひこの記事のコメント欄で宣言してください!
STEP 7|レジュメ作成/LinkedIn整備/エージェント登録を一気にやる(費やす時間目安:2週間)
いよいよ最終STEPです。転職活動の「準備フェーズ」を完結させましょう。このSTEPで扱うのは以下の3つ。
- レジュメ作成
- LinkedIn整備
- エージェント登録
一般的な外資転職ガイドであれば、それぞれ個別に語られる内容かもしれません。ですが、「スノーボール・セブン・ステップ」ではこれらを一気に仕上げます。
なぜなら、作業としては一見別物でも、やることは本質的に同じだからです。
- レジュメで自分を言語化し、
- それをLinkedInで外に見せ、
- それをエージェントに説明する。
雪だるまが高速に回転している今、2週間でまとめて仕上げるのが最も効率的です(むしろ、別々にやると内容は必ずブレます)。
なお、「レジュメ作成」「LinkedIn整備」「エージェント登録」それぞれのノウハウ自体は、ネットに良質な情報がたくさんあります。ここではそれを繰り返す代わりに、この3つを一気に終わらせるための「作業指示書」をポイント付きで提示します。
転職準備の最終仕上げ ー 2週間スプリント
Day 1-3|レジュメのたたき台を作る
- まず、STEP 5で出した「あなたを採るべき理由」を、事実・数値ベースで書き直す
- それをもとに、レジュメの「1-pager (サマリー)」と「詳細版(職務経歴書)」を英文で作る
- 目安は60点(完璧を目指さない)
Day 4-6|自分のLinkedInページを「検索される状態」まで持っていく
- プロフィール写真:意外にめちゃくちゃ重要 ー 自信に満ちた笑顔の写真を(メラビアンの法則)
- Headline:100人が見たら100人が同じ理解をする、一般的で市場に通じる肩書をを使う(会社特有のタイトルはNG)
- About:「あなたを採るべき理由」のハイライトを記載
- Experience:ここではレジュメの転記でOK
Day 7-10|レジュメとLinkedInを相互に磨く
- レジュメとLinkedInは自分の看板
- ハイヤリング・マネージャーに憑依し、魅力的な看板に仕立てる
- 大げさな表現は逆効果 ー あくまで事実・数値ベースで実績を簡潔に
- 特に重要なのはLinkedInのAbout
- 9割以上のハイヤリング・マネージャー/リクルーターは、まずここしか見ない
- ここで「続きが読みたい」と思わせられなければ負け
- 本編(Experienceやレジュメ)に対する「映画の予告編」を作るつもりで
Day 11-14|エージェント登録
- ここは特にポイントなし(登録するだけ)
- あえて言えば、複数社に登録すること
- STEP 4でJDを読み漁った中から、自分に合いそうだと感じたエージェントを選ぶ
まとめ:人は正論では動かない ー 雪だるまを転がしてオートクルーズモードに入ろう
転職活動で最も重く、そして多くの人が脱落する「準備フェーズ」を高速で駆け抜けるための、「スノーボール・セブン・ステップ」を解説しました。
たとえば複数の借金を返済するとき、理論的には金利が高いものから返済するべきです(多くのマネーリテラシーの教科書はそう説いています)。しかし、絶対額が小さいものから返していくほうが、「借金を返済するモード」に拍車がかかり、完済の確率が高まることが統計的に証明されています。
つまり、「重い作業をこなすプロセス」は、理論ではなく、行動心理で設計するべきなのです。
「スノーボール・セブン・ステップ」は、あえて準備フェーズに特化し、最初の一歩を軽く踏み出し、進むほどに加速するように設計されています。
準備フェーズを完了し、エージェント登録まで済ませたあなたには、今後エージェントから面談の依頼が届くでしょう(もし届かなければ自ら依頼すればいい)。ここからはオートクルーズで進んでいけます。あとは走りながら準備していきましょう。
グズは完璧主義である ー Done is better than perfect.
あなたのキャリアの明るい未来を、心よりお祈り申し上げます。



