こんにちは、リブレオです。
新卒で国内の大手企業に入り、意欲的に働いていましたが、将来にモヤモヤを感じ、30代後半で外資に転職。そこから環境や働き方、年収、そして人生そのものが大きく変わりました!
ツトム昇進や昇給するため、あるいはクビや解雇にならないためにも、まずは成果を出すことが大前提ですよね。



その通り。成果を出すことは、むしろスタートラインに近いよ。



でも、その成果を会社がきちんと拾ってくれているのか、いつも不安になるんです。



分かるよ。拾われない成果は、存在していないのと同じ。
成果を出すことと、それを「見える化すること」は、セットで考えるべきなんだ。



とはいえ、自分からアピールするのは苦手だし、ガツガツして見えるのもイヤなんです。



その気持ちも、よく分かる。
一般的には「自己アピール=でしゃばり」みたいなイメージが強いからね。
でも「仕事における自己アピール」は、それとはまったく別物。決まった「型」に沿って淡々と進めるだけなんだ。
欧米では、幼い頃から “Show and Tell (聴衆に対して「示して伝える」)” が教育に組み込まれています。彼らにとって「自分の考えを堂々とプレゼンする」ことは、訓練の積み重ねから生まれる、ごく自然な行為です。
一方で日本は、行間を読むハイコンテクスト文化。「出る杭は打たれる」という言葉の通り、自己アピールは「悪目立ち」と受け取られ、多くの人にとってハードルの高い行為です。
しかし、仕事における自己アピールで、ガツガツした振る舞いをする必要はありません。この記事では、成果を効果的に伝える方法を、「今日から実践でき、外資でも日本企業でもそのまま使える、再現性の高い4つの型」に整理しました。
- 仕事における効果的な自己アピールは「でしゃばり」ではなく、成果を見える化する技術だと理解でき、心理的なハードルがなくなります。
- 外資でも日本企業でも長く活躍する人が自然と身につけている振る舞いを、今日から実践できる具体的な「4つの型」として習得できます。
- 成果を出した後の「どう振る舞えばいいのか」という迷いが消え、行動の基準が明確になります。
- 成果が「なんとなく伝え、偶然拾われるもの」から、「自分でコントロールして見える化できるもの」へと変わります。
外資でも日本企業でも通用する、成果をアピールする4つの型
型①:成果をSBIで客観的に伝える



成果を「ガツガツアピール」しなくても、自然に見える化する方法がある。
SBIフレームワークを使うんだ。



SBIってなんですか?



“Situation” / “Behavior” / “Impact”の略。
相手に効果的に物事を伝えるためのフレームワークで、多くの企業のマネジメント研修で採用されている。
部下を褒めるとき、逆に難しい指摘をしなければいけないときにも推奨されている手法なんだ。
- S: Situation (状況)
- その成果がどんな背景・条件で生まれたかを説明する。
- B: Behavior (行動)
- 具体的に自分が起こした行動を説明する。
- I: Impact (与えた影響)
- 実際の成果。ここは必ず数字で語ること。
少し余談になりますが、「ガツガツした出しゃばりアピール」の1つに、「他人の成果を横取りする」というものがあり、実際に外資の現場では頻繁に目にします。僕の以前の職場では、「オレオレ詐欺」をもじって、「あれオレ詐欺」などと揶揄されていました笑。SBIのBで、きちんと自分が取った行動を明確にすることで、はばからず、胸を張って自分の成果を主張することができます。
どんな状況で(S)、自分が取ったこんな行動により(B)、こういう影響を出した(I)という最後のImpactを数字で語ることにより、誰が聞いてもゆらぎのない、説得力の高い報告になるのです。
「それ、あなたの感想ですよね?」とツッコまれかねない、主観的な感想ベースの説明を、客観的な事実ベースの説明に変換するツールがSBIなのです。
例えば、「プロジェクトを前倒しで終わらせました」という0点の報告を、SBIで語るとこうなります。
- Situation
- 3チームが関わる機能開発のため、チーム間の依存が多く、スケジュールから3日間の遅延が生じていた。
- Behavior
- これ以上の遅れは致命的になると判断し、3チームのリーダーによる毎朝のスタンドアップ定例を導入。依存関係が最小になるように、各チームのタスクの順序を整理した上で、毎朝タスクの進捗を確認しあい、「待ち」が発生しないようプロセスを再設計した。
- Impact
- スタンドアップ定例によるデイリーの依存確認を導入してから、2週間で遅延をリカバーし、その後3週間でローンチ(当初の予定より1週間前倒し)。総工数に換算すると、2人月を削減した。
Impactを数字で語る際は、「売上」や「ユーザー数」など、トップラインである必要はありません。そもそもそんなメトリクスはしょっちゅう動かせません。
- 12件 → 19件(+58%)
- 4.5日 → 2.1日(−53%)
のように、変化量を語ってもよいのです(というか、それがコツです)。
評価される人の共通点は、成果を客観的に、誤解なく伝えられること。自然とそれを可能とするSBIは、あなたの一生の武器になるでしょう。
型②:オーバー・コミュニケーション



成果をSBIで伝える、というのはすごく腑に落ちました。
でも、それって「どのタイミング」で「どうやって」伝えればいいんですか?



タイミングなんか考える必要はない。「隙あらば常に」だ。
僕のオススメは、求められていなくても自発的に週報を書くこと。その中でも最強フォーマットを紹介しよう。
日本でも「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が大切と言われますが、外資ではそのレベルを2段階引き上げ、「もう分かったよ」「くどいよ」「しつこいよ」と言われるぐらいがちょうどいい。文字通り、「オーバー・コミュニケーション」を目指すのです。
外資系企業では、ミスそのものはペナルティに直結しません。なぜなら「ミスは個人の力量ではなく、システムの問題」と捉えられているからです(もちろん、同じミスを繰り返す場合は別です)。だからこそ重要なのは、「隠さず、早く、正確に」共有されること。早く共有されれば、組織としてプロセスを修正でき、再発も防げる。逆に、ペナルティを恐れてミスを隠すことこそが、もっとも信頼を失う行為なのです。
本記事では具体例として、メタ(旧フェイスブック)で全社的に採用されているHPMという週報のフォーマットを紹介します。
HPMとは、”Highlight” / “Progress” / “Me”の頭文字で、この3つのパートから構成される週報フォーマットです。
- Highlight: 扱うKPIの中で、実際に「数字が動いたインパクト」を書くパートです。
- ここはまさに、SBIで書きましょう。
- 前述の通り、「数字が動いたインパクト」は、毎回トップラインである必要はありません。12件 → 19件(+58%)のような変化量でも十分です。
- それでも、毎週数字が動くことはないでしょう。「今週はHighlightなし」という週があってもいいのです。
- ただし、何週にも渡ってHighlightが書けない場合は黄色信号。やり方・方向性を見直すサインになります。
- Progress: ここではいわゆる「進捗」を書きます。
- 注意したいのは、ProgressはあくまでHighlightにつながる内容であること。たとえば、「ミーティングを設定した」はProgressではありません(その手段です)。ミーティングには目的があるはずで、その目的が達成されてはじめて「進捗」と言えるのです。
- Progressを書くときは、必ず Background / Update / Next Step の3点セットで書きます。
- Progressの3点セット
- Background: 背景・なぜそれをやっているか
- Update: 今週の進捗
- Next Step: インパクトにつなげるために、次に取るアクション。
- 例:ユーザー登録フローの見直しタスク
- Background: 登録フローの email 登録画面で離脱が多い。近年は電話番号登録が一般的であり、本サービスでも電話番号をデフォルトに変更することで離脱率が下がるという仮説を検証する。
- Update: 電話番号登録の実装が完了。
- Next Step: 現状の email 登録のみ(Control)、電話番号登録を追加(デフォルト:email)、電話番号登録を追加(デフォルト:電話番号)の3パターンでA/Bテストを実施(ETA: xxx)。
- 抱えているタスクやプロジェクトごとに、この3点セットで進捗報告をすることで、読み手はそれらの「目的」「現在地」「進路」を瞬時に把握できます。
- Me: 最後は「自分のこと」を書きます。
- 例:この週末は家族でキャンプに行ってきました。ソロキャンプではかなりハードに攻める私ですが、妻と8歳の息子が一緒だとさすがにそうもいかず、今回は「全て揃っているグランピング」にしました。あれはあれで快適で良いものですね笑。
- このように、仕事とは直接関係ない日常を少しだけシェアすることで、無機質な週報に手触り感が生まれ、自分の人となりが伝わりやすくなります。職場での会話のきっかけにもなり、結果としてコミュニケーションが促進されます。
ETAとは”Estimated Time of Arrival”の略で、納品予定日のこと。外資系企業で多用される単語のひとつです。
メタでは毎週、全社員が個人のHPMを書き、チームや組織単位でもリーダーがそのHPMを書きます。これらは社内ツール上で全て公開されており、気になるプロジェクトを検索したり、地球の裏側のチームの動きまで把握できます。
全社で同じフォーマットを使っているため可読性が高く、Highlightを流し読みするだけで、他チームの状況が一瞬で分かります。
あなたの会社に規定のフォーマットがあるなら、それに従うのが懸命です。
もしなければ、ぜひこのHPMを参考にしてください。SBIと合わせてこのHPMフォーマットをマスターすれば、間違いなく「この人はデキる」と思われるでしょう。
そして四半期ごとの成果確認では、あなたは過去3ヶ月分のHighlightをまとめて、ただ堂々と話すだけでいいのです。
型③:オーバー・リアクション
職場では、リアクション芸人顔負けの反応をしてください。コツはシンプルで、「どんな話にも興味を持つ」と決めることです。
興味のある話なら、自然に質問が出て、目が輝き、リアクションも大きくなります。興味がなくても、仕事として割り切って興味を持ちましょう。おもしろくないものを「おもしろがる」のは、技術なのです。
- 相槌は、相手が風を感じるほど大きく頷く。
- 比喩ではありません。リアルに風を出してください。
- とにかく楽しそうに笑う。
- つまらない冗談でも、それは「笑うチャンスが来た」と心でガッツポーズして笑う。
- 大きな声で挨拶する。
- 挨拶は、いつでも自分から仕掛けられる「サービス問題」です。
こんな人がいたら、とても話しやすいと思いませんか?つまり、リアクションが大きい人には、人も情報も仕事も集まるのです。



僕、シャイで内気な性格なんですよ。オーバーリアクションなんて無理ですよ。



僕も陰キャだよ。性格なんか関係ない。プロとして、キャラを演じるんだよ。
ドラマの主人公が、プライベートでも同じ人格であるはずがないように、あなたも職場では「素の自分」である必要はありません。
オーバー・リアクションをするチャンスが目の前にあるのに、どうしてもそれが難しい時は、心の中でこんなジングルを鳴らしてください。
テッテレー♪ コント、異常に明るい会社員!
さあ、コントのはじまりです。あなたには守るべきものがある。恥ずかしがっている場合じゃない。
歌手の矢沢永吉さんの有名なエピソードがあります。スタッフに失敗を打ち明けられたとき、彼はこう言いました。
俺はいいけど、YAZAWAが何て言うかな?
まさに、彼の中で「矢沢永吉」と「ロックスターYAZAWA」が、別人格として存在していることを示すエピソードです。
あなたも同じように、徹底的にオーバー・リアクションのキャラを具体化してみてください。



僕はスルーしちゃうけど、TSUTOMUならここで明るく笑うだろうな。
職場では、そのキャラにあなたという身体の運転を任せればいいのです。
間違っても、会議中にパソコンとにらめっこして、内職していてはいけません。相槌で風を送るチャンス、部屋の温度を2度上げる笑い声を出すチャンスを、虎視眈々と狙うのです。
オーバー・リアクションという「演技」だけで、話が聞いてもらえて情報が集まるなら、こんな安い投資はありませんよ。
型④:会社の行動規範を徹底的に理解し、その模範となる
「4つの型」のうち、この最後の型だけは少し特殊です。日本企業でも応用できますが、とくに外資では「必須科目」になります。
多くの外資系企業では、会社としての行動規範が明確に定義されています。名前は「ミッション・ステートメント」「バリュー」「プリンシプル」などさまざまですが、要するに「この会社ではこう考え、こう振る舞おう」というルールです。
それを暗記するのではなく、徹底的に理解し、日々の行動レベルにまで落とし込むことが求められます。
日本企業にも「社訓」や「クレド」など同様のものはありますが、現場での浸透度は会社によって大きく異なり、形骸化しているケースも少なくありません。一方で外資系企業の行動規範は、会社の成長に必要な考え方や行動を徹底的に研究・言語化し、採用・評価から日々の意思決定にまで組み込んで運用されています。
つまり、会社が「こう振る舞えば会社に貢献できる」という「答え」を最初から提示してくれているのです。あとはその規範を深く理解し、ロールモデルとして体現すればよいのです。
たとえばアマゾンには、OLP (Our Leadership Principle / リーダーシップ・プリンシプル ) と呼ばれる行動規範があります。ポジションに関係なく、「全社員がリーダーである」という前提で、OLPに沿って行動することを求められます。
参考:リーダーシップ・プリンシプル
まず採用ではこのOLPを基準に選考が行われ、面接官にはそれぞれ「担当OLP」が割り振られます。OLPごとに質問テンプレートや評価観点がマニュアル化されており、面接官は担当OLPについて、候補者を徹底的に深掘りします。
入社後は研修でOLPを学び、ケーススタディを通じて「このOLPが発揮されていない状態とは何か」「逆に発揮しすぎるとどうなるか」まで具体的に叩き込まれます。
さらに四半期ごとの評価でも、業績とは別に「OLP通りに行動したか」という軸でも評価がされるため、社員は自然と日々の意思決定をOLPの基準で行うようになります。



徹底してますね……。
OLPは定期的に見直され、削除・追加が行われる「生きた行動規範」です。単なるスローガンではなく、実際の採用・育成・評価・意思決定のすべてに入り込んでいる ─ これが、外資における行動規範運用の典型例です。
裏を返せば、行動規範を深く理解し、そのロールモデルになることこそが外資で評価される近道です。そして、自分が本質的にそのカルチャーにフィットしていなければ、行動規範を日常的に「自然体」で体現するのは難しい。
だからこそ、転職活動の段階から各社の行動規範を徹底的に読み込み、心から共感できる企業を選ぶべきです。企業が求める価値観と、あなた自身の価値観が噛み合っているか ─ ここが、外資で長く活躍するための重要なポイントになります。
まとめ:淡々と型を進めよう
この記事では、外資系企業でも日本企業でも通用する「成果をアピールする4つの型」を紹介しました。
あえて「型」として整理したのには理由があります。
空手が強くなるには、まず型を身につけます。実践でいちいち考えていたら遅れるからです。
将棋が強くなるには、詰将棋を解きます。型として身体に入っている局面まで持ち込めれば、あとは迷わず勝ち切れるからです。
つまり、「型を習得する」とは、「考える前に自然に動けるようになる」ということです。
仕事における自己アピールも同じ。型が身についていれば、「どう見られるか」に消耗せず、「成果そのものを生み出すこと」に集中できます。ぜひ、この4つの型をあなたの中に落とし込み、息を吸うように自然に、嫌味なく成果をアピールできる状態をつくってください。
経験豊富とは、たくさん考えるのではなく、たくさん考えないということ。
あなたのキャリアの明るい未来を、心よりお祈り申し上げます。


